平成１３年 平成１４年 平成１５年 平成１６年 平成１７年１月 年始の挨拶
２月 夢見る力
３月 幸せ度
４月 桜の木の下で
５月 お水の花道
６月 人でいる間
７月 様々なセリフ
８月 鐘と撞木（しゅもく）
９月 供養と祈願は別々に
10月 ある浄土・往く浄土
11月 仏指舎利
12月 恋愛と信仰
合掌 いつの間にか今年最後の便りとなりました。お元気のことと存じます。
テレビのＣＭであるヴァイオリニストが、恋愛をすると表現力が豊になると言っていました。たしかに恋する気持ちは情操を豊かにし、演奏にも幅や深みが出てくるのでしょう。
私達の信仰にも同じことが言えるのではないでしょうか。親子兄弟の愛情は自然発生的に芽生えて育まれますが、恋愛となるとそうはいきません。
育った環境も考えも違う相手とお互いの愛情をもとにいろいろ調整しなければなりません。そうこうしている内に相手への深い思いやりというものも育ってくるのではないでしょうか。「
自己虫」では恋愛は出来ません。恋愛中に体験する「恋しさ」「愛しさ」「切なさ」は人を理解するのに大切な要素です。恋愛をすると言うことはいわば心の田圃を耕して信仰の芽を育てる準備期間でもあるのです。人を恋した事がない人がお釈迦さまを「恋慕渇仰」出来るはずはありません。
日蓮聖人もおっしゃっています。
『それ信心と申は別にはこれなく候。妻のをとこ（夫）をおしむが如く、をとこの妻に命をすつるが如く、親の子をすてざるが如く、子の母にはなれざるが如くに、法華経・釈迦・多宝・十方の諸仏菩薩・諸天善神等に信を入奉て、南無妙法蓮華経と唱へたてまつるを信心とは申候也。』