平成１３年 平成１４年 平成１５年 平成１６年 平成１７年１月 年始の挨拶
２月 夢見る力
３月 幸せ度
４月 桜の木の下で
５月 お水の花道
６月 人でいる間
７月 様々なセリフ
８月 鐘と撞木（しゅもく）
９月 供養と祈願は別々に
10月 ある浄土・往く浄土
11月 仏指舎利
12月 恋愛と信仰
合掌 秋気ようやく肌にしむ候となりました。皆様お元気の事と存じます。 さて「日蓮宗新聞」に電話相談室のやりとりが掲載してありました。
「もしもし、相談室ですか？人が死んだら何処へ行きますか。」
「私も死んだことがないから分からないな」
「そこはお寺でしょ。なぜわかんないの？」
「仏さまの教えでは霊山浄土という素晴らしい世界に往くと書いてあるよ。君、それを信じる？」
「…」
「なぜそんなことを質問するの？」
「ーうん。そんな素晴らしいところなら死んでもいいよね。先生ありがとう。悩みを聞いてくれてありがとう。」
その後その少女は飛び降り自殺したそうです。わずか十六歳の命でした。
相談員の受け答えの当否は別にして私がここで確認したいことは「霊山浄土」とはこの世で生きている間にこの世が「霊山浄土」である、と確信した人が亡くなってもあの世の「霊山浄土」へ往けるのです。
この世で「霊山浄土」を見いだせない人はあの世に往っても「霊山浄土」を見出すのは難しいのではないでしょうか。死んでから「往く浄土」とこの世に「ある浄土」とは同じ「霊山浄土」なのです。そこが南無阿弥陀仏の「極楽浄土」と違うのです。