・「四諦」で読む	『立正安国論』を様々な角度から読む。 ・「三科分類法」で読む ・「四諦」で読む ・仏神・僧侶・人師の二択で読む ・「立正」と「安国」で読む ・「有事」と「平時」で読む
	「四諦」とは「四聖諦(ししょうたい)」ともいい、苦諦(くたい)・集諦(じゅうたい)・滅諦(めったい)・道諦(どうたい)の四つをいいます。 諦は真理の意味です。
	仏教の基本的教えであり、大乗仏教徒によってはあくまでも個人的な苦からの脱却であり声聞に対して説かれたとされています。 又涅槃経や摩訶止観には四教や四土に配して解釈されているようです。 私がここで取り上げたのは旅客が目の当たりにした国土の惨状を人々の共業(ぐうごう)の「苦」として捉え、その様々な原因の解明を「集」とその「苦」から解放された状態を「滅」として、そして解決の方策を「道」として考えて見たいと思ったからです。 又国家を擬人化して瀕死の重病人に譬え病状・病因・その治療法そして理想的な健康体とは、そんな視点から『立正安国論』を見るとどうなるのか。 日本の「柱」「眼目」「大船」たらんとした日蓮聖人を日本の「大良医」として仰ぎ「良医治国」の処方箋として『立正安国論』を見てみたいのです。 確かに日蓮聖人は「他国侵逼の難」「自界叛逆の難」の来るべき国家的未病を予見し治す「上医」でした。 ㊟「未萌をしるを聖人という。」『撰時抄』 　 「聖人は・・・・未病を治す」『黄帝内経(こうていだいけい)』 それでは先ず「苦諦」に相当する部分を抄出してみます。
	国家が病んで人々は天変地異疫病等で苦しみ国土は荒廃しています。 その原因を即断します。「集諦」です。
	その原因は世の中が正しいことに背き、悪に帰してしまい それによって人々を守るべき善神は国を捨てて天上に行ってしまい、人々を指導すべき聖人も居なくなって還ってきません。（その根拠はお釈迦さまが説かれたお経にあります。） 一番の元凶は後鳥羽院の時代に法然が選択集を著し、お釈迦さま御一代の経典を破壊して十方の衆生を惑わしたからです。 次に原因が解かりそれを解決すれば理想的な国家となります。その具体的な説明が「滅諦」です。
	所詮天下が泰平で国土が安穏であることは君主や仕える臣民が願うところであり、国土に住する人々が常に思うところである。  （原因を解明し正しく処置すれば）この世は皆仏国となり衰えることもなく、十方すべて宝で荘厳された金剛石の如く破壊されることもなく衰えることもなく住む人々も身は安全にして心は禅定に入った如く平安であろう。 そのようになるためには次のことを実践しなければならない。「道諦」です。
	『立正安国論』 の冒頭で各宗の対応策や政治上の徳政が行われたが効果無く、そんな万祈・政策よりも一凶則ち法然念仏を禁じることが最も効果的である。 そのような謗法の人を禁じて正しい道を歩んでいる僧侶や人材を登用すれば、国中が安穏にして天下は泰平になる。 あなたは一刻も早く信仰の心得違いを改めて早く唯一の真実の教えに帰依しなさい。
	以上『立正安国論』を「四諦」で要約してみました。若干無理な部分があったかもしれませんが一応因果論でまとめるとこうなるのではないでしょうか。
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